評価
★ ★ ★ ☆ ☆
基本情報
人数 | 1~3人 |
---|---|
時間 | 20~40分 |
言語依存 | 英文表記あり。難易度は低め。 |
対象年齢 | 12歳以上 |
デザイナー | Manuel Correia |
アートワーク | Paweł Niziołek |
版元 / 販売元 | Board&Dice Grey Fox Games |
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テーマ
カードを上手に使え。時間をかけて。時間が動くのは、あなたが動いた時だけだから。
「SUPERHOT:The Card Game」ルールブックより
「SUPERHOT:The Card Game」は、steam発のデジタル・シューティングゲーム(FPS)を題材にしたカードゲームです。
元ネタのシューティングゲームには「自分が動くときだけ時間が進む」(TIME MOVES ONLY WHEN YOU MOVE)という特徴があり、カードゲーム版でも、そのシステムが再現されています。
デジタルのほうのイメージは、↓の公式動画を見ていただけると分かりやすいです。VR版の発売に向けて公開されたものです。
まるで、映画「マトリックス」のように敵や銃弾の動きがスローモーションになるのが分かると思います。
自分が動かなければ周りの状況も進まない、というのが「SUPERHOT」というゲームの特徴です。
※ちなみに、私はデジタル版を遊んだことはありません。カードゲームを手に取ったのはデザイナーが「MULTIUNIVERSUM」の人だったからです。
ルールの概要
デジタル版の特殊なシステムを再現するため、カードゲーム版は「ソロプレイ特化のデッキ構築型ゲーム」という手段をとっています。
複数人で遊ぶルールも用意されてはいますが、ソロプレイの評価が圧倒的に高いです。(2017年のゴールデンギーク・ベストソロ部門にノミネートされています)
ゲームの目的は、勝利点を稼いだり、敵のヒットポイントを削ったりすることではありません!ランダムに選ばれるクリア条件を満たすことです!
3段階のステージクリアを目指す
「SUPERHOT:The Card Game」で、プレイヤーは、3段階のステージ(レベル1~3)をクリアすることを目指します。
ステージごとに、クリア条件が書かれたカードがランダムに公開されます。
- レベル1 ⇒ 1枚
- レベル2 ⇒ 2枚
- レベル3 ⇒ 3枚
1ゲームで使うのは計6枚です。セットのなかには25枚のゴールカードが入っているので、リプレイ性は高いです。
クリア条件には「ラウンド開始時の手札が▲を供給するものだけになっていること」や「敵を10回倒すこと」など、さまざまな種類があります。
なかには、上記のカードのように「銃弾カード3枚が射線上にあること」というクリア条件もあります。プレイヤーは銃弾を4発受けると死亡するので、なかなか難易度が高いです。
かなり特殊なデッキ構築
「SUPERHOT:The Card Game」のデッキ構築は、かなり特殊です。端的にまとめると、以下のようにカードが循環します。
- プレイヤー側のカード ⇒ システム側の捨て札
- システム側のカード ⇒ プレイヤー側の捨て札
一般的なデッキ構築型ゲームと違い、プレイヤー自身の山札と捨て札が直結していません。
はたして本当に「デッキ構築」と呼んでいいのか分からないほど「ドミニオン」からかけ離れたこのシステムが、実はFPSというジャンルを上手く表現しています。
つまり、一度使ったものは手元からなくなります。そして、ゲームの進行にあわせて使える道具を獲得しているのです。
システム側から流れてくるカードには、不要なものもあります。ただ、プレイヤーは、手札を駆使することによって、カードをブロックできます。
このように、ゲーム全体の流れをコントロールするのが「SUPERHOT:The Card Game」です。
クリア条件を満たせるように、上手く状況をさばいていくわけですね!
もちろん、システム側は銃撃によってプレイヤーを妨害してきます。銃弾を防ぐために、不要なカードを受け取ることも多々あります。
プレイ枚数分だけ場札が近づいてくる
「SUPERHOT」の「自分の動きに合わせて状況がスローモーションになる」という特徴も、カードゲーム版では再現されています。
ラウンド中に使ったカードの枚数に応じて、状況が動くのです!
「SUPERHOT:The Card Game」には、周囲の状況を表す【ライン】というエリアがあり、常にシステム側のカードが6枚展開されています。
【ライン】には、プレイヤーまでの遠近を示す数字が振られており、「1」はすぐ近く、「6」は離れた位置を表します。
プレイヤーに大きな影響を与えるのは近くのカードだけなので、たとえ【ライン】に銃弾があっても、すぐにダメージを受けるわけではないのです!
上手くカードをコントロールすれば、銃弾を防ぐことも可能です!(もちろん、どうしようもなく銃撃を受けることもあります)
Twitterのプレイ投稿
Twitterのプレイ投稿をご紹介します。とはいえ、流通数が少ないのか、国内のツイートは見つかりませんでした。
Played #SUPERHOTCardGame on 2018-03-30 with 1 player #bgstats pic.twitter.com/b13eECFGSs
— Mike DiLisio (@michaeldilisio) March 30, 2018
Chillin’ with a solo card game tonight. Ever play Superhot the video game. This is an awesome card version of that game. Very thematic! Love it! #superhot #cardgame #bgg #boardgames #sologaming #soloboardgames #latenight #superhotthecardgame https://t.co/MbwxQRPz2u pic.twitter.com/1dcGMqjgK4
— Board Gaming Hicks (@boardgaminhicks) February 1, 2018
感想
意欲作だと思います。FPS感がかなり再現されています!
そして「MULTIUNIVERSUM」のデザイナーさんだけあって、めちゃめちゃヘンテコなシステムです。良い意味で!
文章にするのが難しいので、記事ではかなり省略したんですが、実は、1ラウンドは7つのフェイズに分かれています。
第1フェイズの「Wait or Move ?」(待つか、動くか?)でどちらを選択するかによってフローが変わるという要素もあり、とてもややこしいです。
ただ、ソロプレイ特化で、1ゲームが30分前後なので、慣れるまでの障壁は低いといえます。(実際、2ゲーム目には慣れました)
ゲームを作っているなど「いろんなシステムに触れたい!」という人には勧めたい作品ですね!
ただ、私は、やはりボードゲームの楽しさは対人の読み合いやコミュニケーションにあるなぁ、と感じますので、評価は星3つ。
ちなみに、複数人で遊ぶ場合は「協力」と「VS」の2つのルールを選べます。いずれ、機会をつくって遊んでみたいと思います。
とくに「VS」のルールは、一方がシステム側に加担するという珍しいタイプで、面白そうです。
購入できるお店は?
「SUPERHOT:The Card Game」は、Amazon、または、駿河屋で購入できます。
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