評価
★ ★ ★ ★ ☆
基本情報
人数 | 1~5人 |
---|---|
時間 | 20~40分 |
言語依存 | なし |
対象年齢 | 12歳以上 |
デザイナー | Manuel Correia |
アートワーク | Paweł Niziołek Piotr Uzdowski |
版元 / 販売元 | Board&Dice Boom Boom Games ほか |
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テーマ
その模様はどれを見ても、時間と空間に関しては、遙かに遠いさまざまな秘密と、想像もできない深淵のあることをそれとなく物語っていた
「インスマウスの影」H・P・ラヴクラフト
「MULTIUNIVERSUM」は、異次元空間の怪物を捕獲することをテーマにした、ポルトガル産のSFカードゲームです。
プレイヤーたちは「Multiuniversum Project」という極秘任務に携わる科学者たちでした。目的はタイムマシンを開発すること。そして、一応、その装置【ポータル】は完成しました。
しかし【ポータル】が繋いだ先は、過去でも未来でもなく、だれも踏み入れたことのない異次元空間でした!
「偉大な発見だ!」と舞い上がったのも束の間、科学者たちは【ポータル】のワームホールが、いくつも展開されていることに気が付きます。しかも、ワームホールの先には、見たこともない怪物の姿が!
異形のものたちが侵入してくる前に【ポータル】を閉じる必要があります! …しかし、怪物を捕獲できたら、もっと素晴らしいのではないでしょうか?
ルールの概要
「MULTIUNIVERSUM」は、手番に3アクションずつを実行していきながら、異世界の怪物を捕獲していくカードゲームです。
共通の盤面には【ポータル】が開いている5つの場所を表すカードと、そこに潜んでいる怪物のカード、そしてプレイヤーたちを表すミープルがセットされています。
プレイヤーたちは5つのポータルを行き来しながら、さまざまな装置を駆使して、怪物を捕獲していきます。ゲーム終了時に、ほかのプレイヤーよりも、効率よく怪物を捕獲できていた人の勝利です。
「MULTIUNIVERSUM」で手番にできるアクションは、以下の3種類から選びます。3回までなら、どの組み合わせで行動しても構いません。
- 手札をプレイして効果を発動する
- 手札をツールとしてセットする
- 手札を捨ててカードを補充する
ゲーム開始時の手札は3枚です。手番終了時に3枚未満だった場合は、3枚になるように補充します。(3枚以上で終えた場合は補充しません)
以下では、それぞれのアクションについて解説していきます。
手札をプレイして効果を発動する
1つ目の「手札のプレイ」は、ゲームの中心となるアクションです。手札のなかから1枚を選んで、効果を実行します。
「MULTIUNIVERSUM」のカードはかなり特殊なデザインになっています。カードの左側には5つのシンボルが描かれており、右側には少し大きめなアイコンが1つあります。
カードをプレイする際には、左側の5つのシンボル(渦巻や足跡)を見ます。それぞれのシンボルは、プレイした際に発動する効果を表しています。
どのカードにも同じ5種類のシンボルが1つずつ描かれています。が、カードによって並び順が異なります。(上の写真を参照)
実は、1~5の数字と背景色は、中央の盤面の【ポータル】の位置と一致しているのです。
どういうことかというと、手札をプレイした際に、プレイヤー自身がどの【ポータル】にいるかによって、適用される効果が変わります。
5種類のシンボルはそれぞれ、
- 渦巻 ⇒ ツールを消費して捕獲する
- 足跡 ⇒ 好きな場所に移動する
- カード ⇒ 2枚ドローする
- 三角形 ⇒ 捨て札1枚をツールとしてセットする
- 塔 ⇒ 場所の特殊効果を発動する
といった別々の効果を持っています。
狙った効果を発動するためには「足跡」で移動する必要があるでしょう。しかし、違う場所に移ると、元の位置の怪物は捕獲できません!
「じゃあ、選択肢を増やすためにカードを引くか…?」
このようにハンドマネジメントしていくのが、このゲームの基本の流れです。が、もたもたしていると、ほかのプレイヤーに先を越されてしまうかもしれません!
手札をツールとしてセットする
2つ目のアクションである「ツールのセット」は「捕獲」に向けて、必要な道具を準備するためのものです。ツールが揃っていないと、怪物は捕獲できません。
「ツールのセット」では、カードの右半分を使います。
カードの右半分には色のついたアイコンが1つ描かれており、これらを自分のプレイヤーカード(研究所)にセットします。
ツールとしてセットされたアイコンは「捕獲」の際にコストとして支払えます。
怪物カードにはいくつかのコストが描かれているので、盤面の様子を見ながら、カードをセットしていく必要があります。
ちなみに、ゲーム終了時点で研究所に残っていたツールは、1枚につきマイナス1点になります。
やみくもにツールをセットしていくだけでは、ゲームに勝てません。
手札を捨ててカードを補充する
3つ目の「捨て札アクション」は非常にシンプルです。手札を1枚捨てて、1枚補充します。
もちろん運の要素は強いですが、場合によってはとても重要なアクションです。
1回の手番では3アクション実行できるため「捨て札アクション」を選ぶことで、残りの選択肢が増える可能性があるからです。
Twitterのプレイ投稿
Twitterのプレイ投稿をご紹介します。とはいえ「MULTIUNIVERSUM」のツイート数はとても少ないです。(英語圏でも少ないです)
Multiuniversum by @greyfoxgames is pretty brilliant. Caught off guard by how clever your wit must be to win. No wonder it has an expansion though never heard of it until pax. Def worth exploring. pic.twitter.com/Lrt84jCMcA
— Boardgames & Bourbon (@gamesandbourbon) December 12, 2019
Spot of afternoon Portal closing in Multiuniversum Project Cthulhu pic.twitter.com/gvKOqsxlkh
— ToucanPlayThatGame (@ToucanPlayThat) December 18, 2016
On this day two years ago Multiuniversum, my first published board game, sold out at its first Essen Spiel! pic.twitter.com/kX25hCnTXm
— Manuel Correia (@gamesbymanuel) October 16, 2018
感想
不思議な挙動をするゲームです。「資源がカツカツ」的なドイツ風のプレイ感ではなく、どちらかというと「思うように動けない!」を楽しむ作品です。
たとえば、以前紹介したチャデクの「レッド7」なんかが刺さる人には、おすすめしたいですね。
ちなみに、得点計算はセットコレクションになっています。怪物カードにアイコンが振られていて、うまい組み合わせで捕獲できるとボーナス点が入ります。
アートワークの神秘さもあってわりと気に入っているんですが「1回目ではちょっと飲み込みにくい」という欠点があります。それも含めて、変わり種が好きな人向きですね。
Amazonで購入する
「MULTIUNIVERSUM」はあまり流通しているところを見ないのですが、2020年4月時点では日本のAmazonで買えるようです。商品ページはこちら。
駿河屋には商品ページもないぐらいのマイナー作品なので、気になる人はAmazonで買ってみてはいかがでしょうか。
※日本語ルールはないと思います。ただ、英文ルールはかなり分かりやすかったので、Google翻訳でも遊べるかと。
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