評価
★ ★ ★ ★ ☆
基本情報
人数 | 2~5人 |
---|---|
時間 | 45~60分 |
言語依存 | なし。ただし、カード名が英語表記なので日本語化すると遊びやすくなる。 |
対象年齢 | 13歳以上 |
デザイナー | Martin Wallace |
アートワーク | Steve Noon |
版元 / 販売元 | Asmodee Treefrog Games |
BGGのページはこちら |
テーマ
それぞれのミニゲームで、プレイヤーは、容疑者、犯された犯罪、および現在隠れている場所を見つけ出し、事件を解決しなくてはならない。
「P.I.」ルールブックより
「P.I.」は、腕の立つ私立探偵の1人になって、ミニゲームを楽しむ、推理タイプのボードゲームです。
プレイヤーたちは、それぞれが優秀な私立探偵(P.I.=private investigator)です。ホームズやポワロ、マーロウなどに成りきっても楽しいでしょう。
何の因果か、彼らは、ある晩、小さなバーで鉢合わせました。だれかがグラスを傾けながら「ゲームをやろう」と持ち掛けます。
使うのは、コルクボードと目印を残すマーカー、それに、古びた写真の数々です。
簡単な手番を繰り返しながら「誰が、どこで、どんな事件を起こしたのか?」をほかの探偵よりも早く推理できた人が、その手腕を認められます。
ルールの概要
「P.I.」は、3回のミニゲームで構成されています。ミニゲームが終わるたびに盤面はリセットされ、3ゲーム目が終わった段階の合計得点を競います。
それぞれのプレイヤーは、ミニゲームのたびに、
- 容疑者(suspect)
- 犯罪の内容(crime)
- 潜伏している場所(location)
の3つを推理します。
「P.I.」の独特なところは、全員が別々の事件を追うことです。
プレイヤーたちには、ミニゲームの開始時に「容疑者」「犯罪」「潜伏場所」のカードが1枚ずつ配られます。
受け取った手札は、自分の左隣のプレイヤーが解決しなくてはならない事件の組み合わせです。
各カードは1枚ずつしかないため、ほかのプレイヤーと事件の内容が被ることはありません。
メインボードには、手札と対応する内容がセットされています。
(正確には、潜伏場所を表すエリアだけが固定で、容疑者と犯罪内容についてはタイルでランダムに配置されます。このため、多様な組み合わせが可能になっています。)
手番では、以下の3つのアクションのうち、いずれか1つを実行します。
- 探偵タイルの配置
- 証拠カードの選択
- 事件解決の試み
以下で、詳しく解説していきます。
探偵タイルの配置
手番でできるアクションの1つ目は「探偵タイルの配置」です。
それぞれのプレイヤーは、3回のミニゲームのなかで、5回だけのこのアクションを実行できます。
手持ちの探偵タイル(ゲーム開始時に5枚取得)を1枚、メインボード上のエリアの1つに置きます。
捜査対象となる右隣のプレイヤーは、探偵タイルの置かれたエリアと、手札を見比べて、以下のように情報を伝えます。
- エリアにある情報が手札x枚と一致する ⇒「ディスクをx個置くこと」
- 隣接するエリアにある情報が手札x枚と一致する ⇒「キューブをx個置くこと」
例えば「潜伏場所は間違っている。容疑者は一致している。犯罪内容は隣のエリアにある」という状況ならば「ディスクを1個、キューブを1個置くこと」と伝えます。
手番プレイヤーは、情報通りにディスクやキューブを置きます。ただし、置いたディスクやキューブが「容疑者」「犯罪内容」「潜伏場所」のいずれについてのものなのかは、分からないままです。
このため、探偵タイルを配置するアクションは、大雑把な手がかりを得るための行動だといえます。
もちろん「何も情報は得られなかった」ということも、大いにあり得ます。1つのエリアを調べつくした結果、ディスクもキューブも置かれないというのは、それはそれで大きな収穫です。
証拠カードの選択
2つ目のアクションは「証拠カードの選択」です。探偵タイルとは違い、回数に制限はないため、ゲームの中心的なアクションになります。
メインボードのそばには、手札や盤面と一致する9枚の「証拠カード」がランダムに並んであり、そのなかから1枚を選択します。
探偵タイルとは違い、証拠カードは、選んだ事柄(容疑者、犯罪内容、潜伏場所)1つについて、正確に調査します。
捜査対象となる右隣のプレイヤーは、選ばれた証拠カードと手札を見比べ、以下のように伝えます。
- 手札と一致する ⇒「ディスクを置くこと」
- 隣接するエリアにある対応タイルが手札と一致する ⇒「キューブを置くこと」
手番プレイヤーは、伝えられた情報が「容疑者」「犯罪内容」「潜伏場所」のどれに当てはまるのか分かるので、確実に捜査の網を狭めていくことができます。
事件解決の試み
3つ目のアクションは「事件解決の試み」です。これまでに得られていた情報をもとに、右隣のプレイヤーの手札を当てようと挑戦します。
手番プレイヤーは、回答用の黒いディスク3個を使って、盤面上の「これだ!」と思うものを示します。右隣のプレイヤーは、正解・不正解を答えます。
もし、3つの要素のうち1つでも間違いがあれば、不正解です。
捜査対象のプレイヤーは、なにが合っていて、なにが間違っているかを答える必要はありません。
正解すれば得点を得られますが、失敗すればマイナス点のペナルティを受け、捜査を続行します。
正解した際の得点は、先着順で決まります。(同じラウンドで複数の正答者が出た場合は同じ得点です)
全員が正解するか、解決できていないプレイヤーが残り1人になるとミニゲームは終了です。得点トラックに点数を記録したうえで、手札・タイル・証拠カードなどをリセットして、新たなミニゲームを始めます。(※使った探偵タイルは戻ってきません)
3回目のミニゲーム終了時点での合計点で、勝敗が決まります。
日本語ルールについては、BGGにて公開されています。リンクを貼っておくので、興味がある人は参考にしてください。(ただし、日本語版として販売されたホビージャパン訳とは違うようです)
「P.I.」の日本語ルールはこちらTwitterのプレイ投稿
Twitterのプレイ投稿をご紹介します。日本語版の再販がないため、最近の投稿は少ないですが、かなり評判の良い推理ゲームです。
【P.I.】
— 華奈/はな (@hanana0817) August 19, 2019
右隣の人が持っている「容疑者」「場所」「容疑の内容」を当てよう。
指定したまたはそれに隣接したエリアに該当するものがあるかを質問していき、少ない手番で正解を導き出そう。
じっくり考えれば分からない事はないけど、もう少し考える力が欲しい。
2019.03.02 #ボードゲーム pic.twitter.com/VYJoymhbIb
タージュ会お疲れ様でした!今月ボドゲ会2回しか行けないから参加出来て良かったです!!
— やば美 (@janbosekisei__) July 9, 2018
P.I.
3ケタ数字当てみたいな印象!3ゲーム連続ドンピシャされるのは怖すぎる。直接的なデメリットは無いにしろ追い詰められてる感やばみ:(´◦ω◦`): pic.twitter.com/SgDkJHmG8q
P.I. #ボードゲーム https://t.co/PyObThVref pic.twitter.com/sJpxyQlTPB
— yaatwo (@yaatwo) May 25, 2018
感想
ボードゲームを始めたばかりの頃に買った、お気に入りの作品です。遊びやすい中量級です。
はじめは手探りで証拠を集めるんですが、徐々に点と点が結びついていく感じが、テーマと一致しています。
運が悪くてまったく推理が進まないこともありますが、3ゲーム制なので、それほど理不尽な思いをする感じではないです。
1回目のミニゲームはチュートリアルで、2回目以降が本番、と、自然と気持ちを切り替えられるのも良いです。慣れてくると、ほかのプレイヤーの動向にも目が行くようになったりします(笑)
ただ、考え込みすぎるとプレイ時間が長引いてしまうので、個人的には「3人ぐらいで遊ぶのがベストかな~」と思っています。
「クルード」や「マスターマインド」などの古典のほか、近年は「クリプティッド」などとも比べられることが多いですね。
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