評価
★ ★ ★ ★ ☆
基本情報
人数 | 1~5人 |
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時間 | 30~60分 |
言語依存 | ほとんどなし(拡張セットには平易な英文あり) |
対象年齢 | 14歳以上 |
デザイナー | Rick Holzgrafe Isaias Vallejo |
アートワーク | Mihajlo Dimitrievski |
版元 / 販売元 | Daily Magic Games Games Factory |
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テーマ
今は平和と繁栄の時であり、ヴァレリア市民は戦争で荒廃した王国を再建し始めています。
「ヴィレッジ・オブ・ヴァレリア」ルールブックより
「ヴィレッジ・オブ・ヴァレリア」(ヴァレリアの村)は、ファンタジー世界を舞台にした、拡大再生産のカードゲームです。
ヴァレリアという名の王国は、長年にわたってモンスターの脅威にさらされていました。しかし、大戦はついに幕を閉じ、平和な時代が訪れたのです。いまは傷をいやし、街を復興するときです。
プレイヤーたちは、それぞれ、国王から任命された公爵または公爵夫人となり、派遣された先の領地の復興に挑みます。
資源の産出量を増やし、建物をつくり、少しずつ、領地としての価値を上げていきましょう。
街の変遷にあわせて、高名な冒険者が集まってくることでしょう。ふたたび争いの時代が訪れた場合に備えて、実力のある者たちを囲い込んでおくことも、領主の重要な役割です。
ルールの概要
セットアップ |
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・初期手札6枚(建物カード) ・初期資金3コイン ・銀行のコインの数をプレイ人数に合わせて調整 ・場札に建物カードと冒険者カードを5枚ずつ |
重要なルール |
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・手札の上限は8枚 ・手札を捨てる場合には場札に重ねる ・場札が空になった場合には即座に山札から補充 ・ゲーム終了時に1コインは1勝利点 |
「ヴィレッジ・オブ・ヴァレリア」は「プエルトリコ」や「サンファン」と似たシステムを持つカードゲームです。
手番プレイヤーの選んだアクションを、全員が実行できます。
ただし、手番プレイヤーだけは、アクションの効果がより大きくなるルールです。
手番プレイヤーの選べるアクションは、以下の5つのうちの1つです。
アクションの種類 |
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1つを選んで実行し(=リード)、そのあとに他のプレイヤーが時計回りに続きます(=フォロー)。
それぞれのアクションについて、リードとフォローでどんな効果が得られるのか、解説していきます。
収穫(Harvest)
「収穫」は、手札を増やすアクションです。
- リード ⇒ 建物カードを3枚引く
- フォロー ⇒ 建物カードを1枚引く
カードを引く先は、いずれかの場札の1番上のカードか、山札の1番上を選べます。(建物カードだけが対象なので、冒険者カードの列は選べません)
もちろん、リードは別々の場所に振り分けることも可能です。
引いたカードは手札に加えます。
8枚の手札上限を超えてしまった場合は、カードを選んで、場札に捨てます。
開発(Develop)
「開発」は、領内の資源の生産力を高めるアクションです。
- リード ⇒ 手札から1枚を捨て、ほかの1枚を資源カードにする
- フォロー ⇒ 手札から2枚を捨て、ほかの1枚を資源カードにする
「ヴィレッジ・オブ・ヴァレリア」の建物カードは特徴的なデザインをしており、カードを逆さまにして城に差すことで、資源の生産力を表せるようになっています。(↓画像の左側を参照)
初めはわずかな生産力しかありませんが「開発」を繰り返していくことで、徐々に領地は豊かになっていきます。
ただし、コストとして手札を捨てる必要があるので、「収穫」とうまく合わせて使わなくてはなりません。
建設(Build)
「建設」は、オープンになっている場札の1枚を、自分の場に建設するアクションです。
- リード ⇒ 建設コストを支払い、場札の建物カード1枚を自分の村に建設する。カードを1枚引く
- フォロー ⇒ 建設コストを支払い、場札の建物カード1枚を自分の村に建設する。カードは引かない
建設コストは、城や資源カードに自分のコインを乗せることで支払います。
そして、自分のコインを乗せさえすれば、ほかのプレイヤーの資源カードも利用できます!
資源はFood、Wood、Stone、Magicと、オールマイティのWildがあります。自分の「発展」が上手くいっていない場合には、他人の資源を借りましょう!
ただし、カードの上に乗ったコインは、カードの持ち主の手番開始時に、カードの持ち主のものとして回収されます。
コインは貴重なリソースであるばかりでなく、ゲーム終了時に1勝利点にもなるので、相手に渡すかどうか慎重に判断しましょう。
建設する建物カードには、勝利点や、「即座に1コイン獲得する」「〇〇のアクション時に追加で××を得る」などの特殊効果、冒険者を集めるために必要なアイコンがついています。
募集(Recruit)
「募集」は、自分の領地に冒険者を呼び込むアクションです。
- リード ⇒ 銀行に1コイン支払い、条件を満たしている冒険者カード1枚を自分の村に呼ぶ
- フォロー ⇒ 銀行に2コインを支払い、条件を満たしている冒険者カード1枚を自分の村に呼ぶ
冒険者カードは、建物カードと違い、コインで呼び込みます。リードは1コイン、フォローは2コインが必要です。
また、自分の村に呼ぶためには、建設済みの建物カードのアイコンが、冒険者カードの条件と一致している必要があります。
冒険者は常に5枚公開されているので、街をどのような方向で発展させていくべきか、指針になります。
ちなみに、村に並んだ「建物カード」+「冒険者カード」の数が規定枚数に達したプレイヤーが現れると、ゲームは終了します。(2~3人プレイは12枚、4~5人プレイは15枚)
効率よく冒険者を集めることは、勝利点や能力面で有利になるだけでなく、ゲームを終わりに近づけるアドバンテージになります。
税収(Tax)
「税収」は、銀行からコインを獲得する唯一のアクションです。しかも、受け取れるのはリードだけです。
- リード ⇒ 銀行から1コインを受け取る。建物カードを1枚引く
- フォロー ⇒ 建物カードを1枚引く
銀行のコインは、ゲーム開始時に決められています。もしも銀行にコインが残っていない場合は「税収」をしてもコインは得られません。
また、冒険者を呼び込むために支払ったコインは銀行にいくため、だれも「税収」を選ばないと、全員の資金はカツカツになるでしょう。
拡張セットがある
「ヴィレッジ・オブ・ヴァレリア」には数種類の拡張セットがあります。
追加の建物カードと冒険者カードはもちろん、フォローの代わりに別のアクションを実行できる「モニュメント」や、ゲームにアクシデントを起こす「イベント」などがあります。
国内で手に入れるのはなかなか難しいですが、基本ゲームに慣れてしまった人は探してみるのも良いでしょう。(記事内で使っているプレイマットの3列目は「モニュメント」の拡張で使用します)
※記事内で使用しているのはキックスターター版のコンポーネントです。一般流通しているものとは違う点があるかもしれませんが、ご了承ください。
Twitterのプレイ投稿
Twitterのプレイ投稿をご紹介します。やはり「サンファンに似ている」という意見が多いですね。下記のほかにも「イラストが好き」という意見が目立ちました。
サンファンっぽい感じで、都市を発展させてゆくゲーム。お金にハンザのようにAPみたいな役割もあって、ユニークでした!#ヴィレッジ・オブ・ヴァレリア pic.twitter.com/BAB6pAa99n
— 若気のイタリー (@ItalyOfWakage19) November 19, 2017
ヴィレッジ・オブ・ヴァレリア 見た目はいかついがサンファン、プエルトリコに近いテイストながら金貨で相手の建設の妨害をできるという独自のシステムがある。結構楽しめました。 pic.twitter.com/xf1qZLj5iP
— 桶川ゲーム会 (@okegawa_games) February 12, 2017
ヴァレリアの村。これは1回では把握しきれんかったなー。もう2、3回やらないとなー。面白かったー。 pic.twitter.com/1jgI8PHBA9
— KBG (和歌山ボードゲーマーズ) (@pantalowgames) August 16, 2019
感想
絵柄が好みです。けど、絵柄ほどサクサクしたプレイ感ではないです。(重たい、というほではないですが)
リード・フォローのシステムによって全員が似たような行動を取るということは、手番順がかなり重要になります。自分の行動によって後手番をコントロールできる場面もあるので、少し攻撃的です。(笑)
銀行のコインを枯らせる、相手の手札を枯らせる、低コストで戦ってスピード重視で終わらせる、など、結構いろいろな戦略があり、私は好きです。どちらかというとゲーマー向きかと思います。
欠点は、リードとフォローのアクションを覚えるのが少し面倒、というところでしょうか。全員分のサマリーカードはあるんですが、もっとプレイしやすいと良いなあ、と思います。
ちなみに、このパブリッシャーは、ほかにも「ヴァレリア・カードキングダム」や「クエスト・オブ・ヴァレリア」など「ヴァレリア」を舞台にしたゲームを展開しています。それぞれが独立したゲームなので、機会を見つけて遊んでみたいです。
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